自分仕様の濾過システム|オーバーフロー水槽の楽しみ方

コラム

熱帯魚を飼育する上で、多くの方が1番お金と知恵を絞るのが「濾過」ではないでしょうか。

私も今まで色々なろ過装置を買っては変えてを繰り返してきましたが、最終的に私の飼育魚や飼育スタイルに1番合っていると感じたのがオーバーフロー濾過でした。

今回は、そんなオーバーフロー濾過のメリット・デメリットについて紹介したいと思います。

オーバーフロー濾過とは?

オーバーフロー濾過とは、飼育水槽の下に濾過槽を設置し、濾過槽からポンプで水を汲み上げ、溢れた水を排水管から再び濾過槽へ戻す仕組みを繰り返す濾過方式のことです。

設備が大がかりになる事から一般的には中々導入が難しい部類のろ過装置です。

メリット

  • 水量を確保できる
  • ろ材容量が多い
  • 水質が安定しやすい

デメリット

  • 初期費用が高い
  • 設置スペースが必要
  • 重量が増加してしまう

どんなろ過装置にもメリット・デメリットが存在します。
ここでは我が家の実例も踏まえて紹介します。

オーバーフローを導入した理由

私が初めてオーバーフロー水槽を導入したのは、カブトニオイガメの飼育を始めたことがきっかけでした。


熱帯魚と混泳させたい。
しかしカメは水を汚しやすい生き物です。

そこで「とにかく強力な濾過が必要だ」と考えました。
外部濾過フィルターも非常に優秀ですし、レイシーなどの大型上部フィルターが強力なことも理解していました。

それでもオーバーフローを選んだ理由は――

強力な濾過能力を持ちながら、見た目が圧倒的にかっこいいから。

濾過槽にヒーターを隠せる。
水槽の上や横に機材やホースを出さなくて済む。
配管まで含めたあの“システム感”に惹かれました。

そして大型魚飼育を意識するようになると、

  • ろ材容量の確保
  • 総水量の増加
  • 新水垂れ流しシステムへの拡張性

こういった部分にも大きな魅力を感じるようになりました。
導入するなら絶対にOF。

当時からそう決めていました。

我が家のオーバーフロー水槽の構成

現在、我が家ではオーバーフロー水槽を複数台使用し、2基の濾過槽で維持・管理しています。

本来は全水槽を1つの濾過槽でまとめる構想もありました。
しかし配置の関係で配管を長く引き回す必要があり、その分水槽設置スペースが削られてしまいます。

物理的には可能でしたが、最終的に「設置スペースを優先」し、玄関側とリビング側の2系統運用に落ち着きました。

結果として管理もしやすく、現在はこの形で安定しています。

大型魚水槽管理系統

・180×90×60水槽/大型肉食魚
・60×45×45水槽/幼魚育成
・60×30×36水槽/小型ナマズ

上記3本の水槽を、120×60×45cmの濾過槽で管理しています。

大型魚を複数混泳しているため、物理濾過は大型化しています。
まずは大きな糞や残飯をしっかり除去する構成です。

生物ろ材も可能な限り投入しています。
主なろ材は「質より量」の考えで、溶岩砂利や軽石を使用しています。

また、pH降下防止のために牡蠣殻も併用しています。

カブトニオイガメ・コリドラス管理系統

・90×45×45水槽/カブトニオイガメ
・60×45×45水槽/コリドラス

上記2本を、60×30×30cmの濾過槽で管理しています。

水槽2本に対して濾過槽はやや小さめのため、ポンプ停止時には水位が大きく上昇します。
そのため、ポンプ稼働中の最大水位をマスキングテープでマーキングし、足し水の目安にしています。

生物ろ材は

  • エーハイムメック
  • エーハイムサブストラットプロ

を使用しています。

濾過槽が小さいため、市販のアクアリウム用ろ材を導入し、効率重視の濾過を狙っています。

どちらのろ材も購入から約15年が経過していますが、崩れることなく現在も使用できています。

物理濾過はあえて設置していません。

落水音を減らすために100均で売っているプラスチック製の芝生の様なものを敷いているだけです。

このサイズの濾過槽であれば、ろ材の洗浄は30分もあれば完了します。
そのため、生物ろ材が汚れたと感じたタイミングで洗浄するスタイルで管理しています。

濾過槽内でろ材を濯ぎ、ろ材を取り出し、水を抜いて戻すだけ。
小さな濾過槽であれば意外に簡単です。

実際に運用して感じた事

見た目はやはり圧倒的にかっこいい

水槽内を極力スッキリさせることができ、魚以外のものがほとんど目に入りません。

ヒーターやホースが視界を横切らないだけで、ここまで印象が変わるのかと感じました。

オーバーフローの濾過槽周りは自作しています。
既製品にはない無骨さというか、独特の雰囲気があり、正直そこもかなり気に入っています。濾過槽周りまで含めて“設備としてかっこいい”と思えるのは大きな魅力です。

外部濾過のように水槽側面をホースが通らないため、見た目は非常にスッキリします。
隙間なくフタをできるので、飛び出し防止の面でも安心感があります。

また、上部濾過のように水槽上部を塞がないため、照明を吊り下げて使用することも可能です。
開放感があり、見栄えが良いだけでなく、手を入れやすくメンテナンス性も高いです


水質の安定感は本物

現在は

  • シルバーアロワナ
  • オキシドラス
  • キクラ
  • オスカー

といった大型魚を混泳させています。

それでも亜硝酸は検出されていません。

硝酸塩は常にギリギリのラインではありますが、有害な亜硝酸は速やかに硝酸塩へ分解されている様子です。

アンモニアは試薬がないため未測定ですが、濾過槽内ではヌマエビが繁殖しています。
少なくとも致命的な濃度ではないと判断しています。


水位が常に一定

水槽を管理する上で飼育水の蒸発は避けられません。

しかしオーバーフローでは、飼育槽の水位は排水管の高さで固定されます。
蒸発で減るのは濾過槽側のみ。

そのため、

  • ガラス面に水位ラインができにくい
  • 水垢が広範囲に広がらない
  • 見た目が常に一定

景観維持の面では大きなメリットです。


拡張性が高い

集中濾過、新水垂れ流し、自動給水――
設備スペースが独立しているため、後からいくらでも追加できます。

濾過槽も設計次第で大型化が可能です。
ろ材容量を増やす、区画を分ける、ウールボックスを広く取るなど、強化の方向性は自由自在。

既製品フィルターでは難しい
**“自分仕様の濾過システム”**を構築できる。

これが、最大の魅力だと感じています。

実際、我が家では180cm水槽を管理している濾過槽へ、後から60cm水槽を連結し、集中濾過方式へ切り替えました。

その結果――
60cm規格水槽にもかかわらず、総水量は約1,200ℓ。

もはや小型水槽とは呼べない、化け物のような環境です。

飼育している生体の管理は、コケ掃除をする程度。
大きな水換えや頻繁なメンテナンスに追われることもありません。

多趣味な自分にとって、**“時間を取られない”**というのは非常に大きなメリットです。


デメリット

重量問題

180×90×60cm水槽の場合、
水・ろ材・設備込みで総重量は1トン以上。

一般家具とは比較にならない重量です。

我が家では新築時に床下補強を行ったうえで設置しています。
設置環境の確認は必須です。


初期費用が高い

初期費用は決して安くありません。
我が家の場合、水槽台と濾過槽は自作してコストを抑えましたが、水槽本体・ポンプ・ヒーターだけで 約27万円

物価高騰前の話ですが、やはり大型オーバーフロー水槽はそれなりの投資が必要です。
DIYで節約する手もありますが、その分 水漏れリスクや安全性 に気を使う必要があります。

値段が高いからと妥協し、底面ブラックにしなかった事に関しては何年経っても後悔しています。


電気代は高い

低い位置にある濾過槽から高い位置の飼育槽まで水を持ち上げるには、揚程能力の高いポンプが必要です。

使用しているのは レイシー RMD-551
正直、安くはありませんが、トラブルを避けたくて信頼性重視で選びました。

電気代は50Hzで115W。計算サイトで1か月の電気代を調べたところ、我が家では約3,000円前後になりました。

ポンプ次第ではありますが、維持費は決して安くありません。
また、水量が増えればヒーターも大型化が必要になり、真冬は特に電気代がかさみます


稼働音・落水音

落水音は常に発生します。

大型水槽ではポンプも大型化するため、音も比例して大きくなります。

キャビネット型水槽台で軽減は可能ですが、完全な無音にはなりません。

設置場所が寝室やリビングの場合は事前対策が必要です。

我が家は水槽部屋に設置されている為、日常生活を送る空間においては全く気にならないのでデメリットとは捉えていません。


停電時の溢水リスク

ポンプ停止時、

  • 配管内の水
  • 排水待ちの水
  • サイフォン現象による逆流

これらが濾過槽へ流れ込みます。

ポンプを稼働している状態で足し水を行い、濾過槽の水位を満水近くにしていると、ポンプを止めた時に溢れます。

対策は簡単です。

ポンプ停止時の最大水位を確認し、ラインをマーキングしておく。

このひと手間で水を溢れさせてしまう事がなくなるでしょう。


小さな水槽だとフロー管が目立つ

60㎝や90㎝水槽のサイズだと、フロー管が非常に目立ちます。
3重管ではなく、コーナーカバー使用がおすすめです。

メンテナンスは「サイズ次第」

60×30×30cm程度の濾過槽なら、
ろ材をゆすぎ、汚水を吸い出し、水を戻すだけ。30分もあれば終わります。

しかし120×60×45cmとなると話は別。

ろ材量が多く、溶岩砂利はとにかく重い。
すべて取り出して洗うとなれば数時間コースです。

ただし現在は濾過槽内でヌマエビが大繁殖。
ろ材上を常に歩き回り、汚れの堆積を抑えてくれています。

生物ろ材は1年以上ノーメンテナンスで回っています。


濾過槽がスペースを奪う

個人的に、これが最大のデメリット。

濾過槽がなければ、もう一本水槽が置ける。

魚を増やしたい身としては、設置本数が減るのは正直つらい。

「入れたい魚がいる。でも水槽がない。」

何度も経験しています。

まとめ

オーバーフロー水槽は非常に強力で、大型魚だけでなく、水質変化に弱いデリケートな魚を飼育する場合でも、水量の多さが安定した環境を作りやすく、多くのメリットがあります。

飼育槽内にヒーターやポンプを入れないため、掃除がしやすく、見た目もスッキリします。

もちろん、導入コストや維持費は他の設備に比べて高くつきますし、設置できる水槽の本数は減ってしまいます。

しかし、集中濾過にしたり新水垂れ流しシステムを導入することで、水槽を増やしてもメンテナンスの手間はほとんど変わらないという大きなメリットがあります。
趣味に割ける時間が限られる中、メンテナンスに手間を取られないのは非常に助かります。

こうした飼い主の事情に合わせて自由に改造できる拡張性の高さこそ、オーバーフロー水槽の最大の魅力だと私は感じています。

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