水槽は増やしたい。
しかし、水換えの手間はこれ以上増やしたくありません。
しかも低い位置に水槽を設置すると、サイフォンが効かないため、いちいちバスポンプを取り出してくみ上げる必要があり、どうしても手間が掛かってしまいます。
そこで、バルブをひねるだけで決まった水位まで排水できる水槽を、DIYで作成してみました。
本記事では、その作成過程と実際の使用感について紹介していきます。
使用した水槽と道具
使用した水槽は、一般的なフレーム水槽の60×30×36水槽で、底面がガラスとプラスチックの二重構造になっている水槽です。
今回使用した水槽は、自分で底面に黒いPPシートを貼り、底面ブラック化したものを使用しました。

使用した道具は以下の通りです。
- 電動ドリル
- ダイヤモンドホールソー(28mm)
- 普通のホールソー(28mm)
- マルチツール(底面の凸凹処理用)※彫刻刀やカッターでも代用可能(怪我に注意)
- ポリスチレンフォーム(穴あけガイド用)
※ガイドとして使ってみたが、今回はあまりうまくいかなかった
使用した材料は以下の通りです。
- VP20塩ビパイプ
- VP20用バルブ
- VP20用ソケット、エルボ、ユニオン継ぎ手
- VP20用サドルバンド
- パッキン(配管用)
- パッキン(サドルバンド高さ調整用)
- 塩ビ接着剤
- シリコンシーラント
- かさあげ用の土台材料
- 鉢底ネット
※配管類は水槽サイズや設置環境によって変更しても問題ありません。
作成のポイント
バルブをひねるだけで排水できる水槽を作成するために、いくつか工夫したポイントがあります。
排水バルブ設置のためのかさあげ土台
底面に排水栓を取り付け、水槽の下に配管を通すため、水槽と床の間にはある程度の隙間が必要になります。
水槽台に合わせて、2×4材と1×4材を使用して土台を作成しました。

水槽を載せるため、強度的に問題のない材料を用意することが重要です。
バルブ設置位置の決定
バルブの設置位置は好みで問題ありませんが、あまりにも端に寄せてしまうと作業性やメンテナンス性が悪くなります。
そのため、今回は中央寄りの奥側に穴あけを行うことにしました。

今回使用する水槽にはPPシートを貼り付けているため、カッターで穴をあける部分のみ切り取り、ガラスにホールソーが当たるよう処理しています。
穴あけの注意点
ガラスと樹脂が二重になっているため、まずダイヤモンドホールソーでガラスに穴をあけ、その後、普通のホールソーで樹脂側に穴をあけました。
ガラスに穴を空ける際は、ダイヤモンドホールソー用のガイドを使用するのがセオリーですが、今回はダイソーのポリスチレンフォームをガイドとして使用できないか挑戦してみました。

ポリスチレンフォームにホールソーを当てて穴をあけ、その穴をガイドとして使用するためです。

ポリスチレンフォームを水槽に敷き、水を少し入れた状態でホールソーを当てています。
結果として、ポリスチレンフォームが柔らかすぎて、正直ガイドとしてはかなり厳しいものでした。
それでも、わずかに溝が掘れたため、途中からはその溝をガイドとして穴を空けています。
撮影しながらの作業のため動きはかなりぎこちないですが、動画もあるので参考までにご覧ください。
ガラスに穴を空けた後は、底面のプラスチックにも穴を空ける必要があるため、普通のホールソーを使用して作業しました。
その際、ガラスに空けた穴と同じサイズのホールソーを使用したことで、ホールソーがガラスの切り口に接触し、小さな亀裂が入ってしまいました。
次回作業する場合は、ガラス側の穴は2mm程度余裕を持たせて空けようと思います。
また、水槽底面の接地側は凸凹しているため、凹凸を削ったり切ったりする必要があります。
私はマルチツールを使用しましたが、ノミやカッターでも十分対応可能な作業です。
怪我には十分注意してください。

少し大げさな道具かもしれませんが、非常に簡単に処理できます。

凹凸がなくなり、給水栓ソケットをしっかり締めつけることができるようになりました。
配管とバルブの固定
配管は水槽台にビス止めし、バルブ開閉時の力がガラス水槽に直接伝わらないよう工夫しました。
可動部分の力を水槽から逃がすことで、ガラスへのストレスを最小限に抑えています。
※採寸・カットは各環境で異なるため割愛します。

排水管を強固に固定するため、サドルバンドと木材の間にゴム板を切ったものを高さ調整用パッキンとして挟んでいます。
これにより排水管への勾配も調整でき、配管内の水がスムーズに排水管へ流れるようになります。


ここで一度仮組みを行い、位置に問題がないか確認します。

位置がずれていたため、配管固定を緩めて調整し、組み直しました。
※配管類はすべて接着剤で固定しています。
排水の接続
排水は、我が家の場合、大型水槽の「新水垂れ流し」用排水に接続しました。
既存の排水システムを活用することで、水槽単体での排水作業の手間をさらに減らすことができます。
新水垂れ流しの排水は下水につながっているため、そのまま接続すると下水から臭いがあがってきます。
それを防止するため、トラップを作成しました。


このエルボは本来空調用で水道用ではありませんが、圧力がかかる場所ではないため、自己判断で採用しました。
水道用エルボよりもコンパクトで、狭いスペースでも取り回しがしやすい点がメリットです。

バルブを開閉する際、水槽台の一部と手が干渉して操作しにくかったため、台の一部を切り取りました。

これにより、バルブ操作が非常に楽になりました。

新水垂れ流し用の排水管に穴を空け、ソケットを接着し、シリコンで隙間を埋めています。
そこへユニオンソケットを使用して接続しました。
排水管がない場合でも、ホースを伸ばして屋外へ排水したり、水槽下にバケツを置いて排水するなど、環境に合わせた方法が選択できます。


水槽を設置し、バルブソケットにパッキンを挟んで締め付けます。
穴あけ時にガラスへ小さなヒビが入ってしまったため、パッキンとガラスの間に1mm厚の塩ビ板を挟み、シリコンで防水処理を行いました。
結果的に、水漏れはなく問題なく使用できています。
また、ソケット部分には鉢底ネットをシリコンで貼り付け、魚が吸い込まれないよう対策しました。
この配管の長さによって排水量を調整できるため、好みに合わせて長さを変更すると良いと思います。
シリコンが完全に硬化したら、水を張って水漏れチェックとシリコン類のあく抜きを行い、問題がなければ完成です。
実際の使用感
換水時にバスポンプを取り出す必要がなくなり、作業の手間が大幅に減りました。
また、配管径が太めなため排水スピードも早く、時短にもつながっています。
私は100%換水を行うこともあるため、バルブを開放したまま注水することで水を入れ替え、比較的簡単に全換水を行うことができます。
一方で、気になる点としては、底に沈んだゴミを直接吸い出せない点と、バルブを閉めている間に配管内の水が酸素不足で傷まないかという点です。
ゴミについては濾過器で対応し、配管内の水については今後どのような影響が出るか分からないため、しばらく様子を見ていこうと思います。

金魚のようによく食べて水を汚しやすい魚や、頻繁に水換えが必要な水槽では、特に効果を実感できる構造だと感じました。
多少気になる点はあるものの、水換えの手間が大きく減るメリットの方が圧倒的に大きく、個人的には「やってよかった」と思えるDIYです。
今後も運用を続けながら、何か変化や気づきがあれば、また記事にしていこうと思います。




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