シルバーアロワナ飼育の基本と実際の管理方法|大型混泳環境の実例

シルバーアロワナの横顔 コラム

シルバーアロワナ飼育の基本

シルバーアロワナは最大で1m近くまで成長する大型魚です。
そのため、一般的な熱帯魚とはまったく別の設備スケールが必要になります。

ここではまず、シルバーアロワナを飼育する上での「基本的な飼育条件」を整理します。

水温の目安

適温は26〜30℃が基本です。
成長を重視する場合は28〜30℃、維持重視なら26〜28℃程度で管理されることが多いです。
低水温にはあまり強くないため、冬場はヒーター管理が必須になります。

水質の目安

弱酸性〜中性(pH6.0〜7.0)が一般的な目安です。
シルバーアロワナ自体はそこまで神経質な魚ではありませんが、大型魚のため水質悪化のスピードが早いのが特徴です。
アンモニア・亜硝酸はゼロ維持が基本となります。

硝酸塩は換水で除去する事が基本になる為、最低でも週に1回は1/3~1/2換水をしたいところです。

水槽サイズの選び方

シルバーアロワナ飼育で最も重要なのが水槽サイズです。
一般的には最低でも150cm水槽が必要とされ、成魚サイズまで飼育する場合は180cm以上が推奨されることが多いです。

成長段階ごとの目安としては以下の通りです。

  • 〜20cm:60cm水槽
  • 20〜30cm:90cm水槽
  • 30〜50cm:150cmクラス
  • 60cm以上:180cm以上

最終的には「体長の約2倍以上の遊泳スペース」が目安とされています。
特に重要なのは横幅だけでなく、方向転換できる奥行きを確保することです。

濾過について

大型魚のため排泄量が非常に多く、濾過能力は余裕を持って設計する必要があります。
一般的にはオーバーフローや大型上部フィルターの使用が推奨されます。
流量の目安は水量の3〜5倍/時間程度で、ろ材量も多めに確保するのが基本です。

餌と給餌頻度

シルバーアロワナは肉食性で、小魚・昆虫・冷凍餌・人工飼料などを食べます。
給餌頻度の目安は幼魚で1日最低2回、成魚はたまに餌を与えない日を作るのもいいと思います。
成長期は特に栄養要求量が高くなります。

成長速度の目安

飼育環境が整っていれば1年で50〜60cm前後まで成長することも珍しくありません。
そのため、将来的な水槽サイズを見越した設備準備が重要になります。

飛び出し事故の防止

アロワナ飼育をする上で、一番多いと言っても過言ではない事故が飛び出しです。
水槽の蓋は隙間なく、飛ばされない様に重りやボルト等で固定出来る物が好ましいです。

飼育のポイントまとめ

シルバーアロワナ飼育は大型水槽・強力な濾過・安定した水温・水質悪化の防止の4点が基本になります。
つまり、設備依存度が非常に高い魚種と言えます。

実際の飼育環境

ここまでが一般的に言われているシルバーアロワナの飼育方法です。

ただ、実際の飼育では環境・混泳状況・設備・ランニングコストなどの条件によって必ずしも教科書通りにはならないことも多いです。

ここからは、実際に複数の大型魚を混泳させている環境でどのような考え方で管理しているのか、リアルな飼育スタイルを紹介していきます。

水槽について

1800*900*600の水槽を使用しています。
奥行きがあるのでターンも問題なく出来ています。

しかしこの水槽でマックスサイズまで育てることは厳しいとも感じています。

30㎝を超えてからずっとこの水槽で飼育し、導入後1年で60㎝まで成長させることが出来ました。

蓋の固定

アロワナはとにかく飛び出しが多く、1番の死因が飛び出しと言っても過言ではないと思います。
私の水槽は蓋がボルト止め出来るようになっているため、割られない限りは飛び出しが発生しない様になっています。

魚を水槽から出そうとした際に、アロワナがジャンプし、全身が空中に出た時の感動と恐ろしさは忘れられません。

蓋は飛ばされない様に工夫しましょう。

混泳環境と生体構成

混泳は口に入らないサイズで温和な魚であれば上手く行く印象です。
オスカーやキクラと混泳をさせていますが、シルバーアロワナは大きさがあるからか、オスカーが攻撃したりしている様子を見たことがありません。

2026年2月現在、以下の魚を混泳しています。

  • シルバーアロワナ     1匹
  • オスカー         9匹
  • キクラ          1匹
  • メガロドラス       1匹
  • オキシドラス       1匹
  • ポリプテルス       2匹
  • パプアンサーモンキャット 1匹

水温設定とその理由

アロワナ等の大型魚は28℃~30℃の水温で管理し、代謝を上げて食欲増進・成長促進狙いで管理される事が多い印象です。

水温が高い事により代謝が上がると確かに育つのも早く、病気にもなりにくいメリットがありますが、私にとって気になるデメリットも存在するため、勝手に水温が上がってしまう夏季以外の時期は26℃設定で管理しています。

水温が高くなると溶存酸素量が低下するため、酸欠になりやすくなります。
オーバーフロー濾過なので酸欠に強い濾過ではありますが、混泳魚も多く不安が残ります。
飼育槽へエアレーションを施し酸欠対策を行っておりますが、個人的にエアレーションを飼育槽に入れるのは美観の観点からあまり好みではなく、必要最低限に抑えるために水温は高くても28℃前後に抑えるようにしています。

大きな水槽には消費電力の大きなヒーターが必要です。
初期投資は高いですが、チタンヒーターは耐久性が高くオススメです。
エアコンと併用していますが、8年間現役で水槽を温めてくれています。

個人的に最大のデメリットは電気代の増加です。
水温を上げるとなるとヒーターやエアコンを稼働させるという事で、ランニングコストが掛かります。
新水垂れ流しで管理しているため、真冬には冷たい水が注水され続けます。
それを28℃以上で維持するには相応の電気代が掛かってしまうため、なるべく安く済ませるために水温を高くしないというのが本音です。

濾過システムの構成

我が家の飼育環境は1800*900*600の水槽を1200*600*450の濾過槽で回しています。
市販されているオーバーフローセットと比較すると濾過槽が少し小さいかもしれません。

ポンプはレイシーのRMD-551を使用しています。
運用し始めて9年経ちますが、壊れる事無く安定して使用出来ています。
万が一の故障時にも部品が手に入りやすく、器用な人であれば自分で修理が出来てしまう点についても個人的にポイントが高いです。
しかし、電気代が高いと言うデメリットもあります。

最近はDCポンプ等の電気代が安い高性能なポンプも出回っており、他の水槽で長年安定して使用出来ているため、交換を検討しています。

物理濾過は自作したウールボックスに、サランロック、ブラックスポンジ、ブラウンマット、グリーンマットを重ねて入れています。

生物濾過は溶岩砂利と軽石を中心に、PHの急降下防止のために牡蠣殻を10キロ程度入れています。
アクアリウム用のリングろ材は貰い物が少々入っている程度です。

濾過に関する事はこちらに詳しくまとめてありますのでご覧ください。

→物理濾過の紹介はこちら

→濾過槽を自作した記事はこちら

換水頻度と管理方法

飼育密度が高い為、新水垂れ流しで管理をしています。
基本的には水を抜き足しする様な普通の換水は行っていません。

→新水垂れ流しとは?

餌を多く与え、目に見えて汚れが気になるときは注水量を一時的に増やしたりしています。

アクリル面への苔やバイオフィルムの付着は週に1回程度清掃し、その際に砂利もかき回して汚れを舞わせて濾過槽へ誘導します。
(オキシドラスのおかげでほぼゴミは舞いませんが)

物理濾過のメンテナンスは目詰まりがして物理ボックスから水が溢れる様になってしまったら清掃をしています。
代替月1回程度の頻度です。

生物濾過のメンテナンスは、以前は半年に一度程度の頻度でろ材を取り出して洗浄、底にたまった汚泥を吸い上げる作業を行っていましたが、現在は濾過槽でヌマエビや巻貝が大量に繁殖しており、濾過槽内の汚れを食べてくれているため、1年以上放置していても特に大きな問題は発生していません。

もちろんエビが分解しきれない栄養分は濾過槽の底に汚泥として堆積するため、いつかは清掃が必要だとは思いますが、清掃スパンを大幅に伸ばせている事は非常に喜ばしい事です。

餌の種類と与え方

食欲旺盛で基本的に選り好みせずに何でも食べてくれる印象です。
幼魚期の人工飼料への餌付けさえ終わってしまえばその後苦労する事は少ないと思います。

餌の種類は大きく分けて3種類、人工飼料・冷凍餌・生き餌に分けられ、様々な商品が存在しますが、ここでは私が使用している物を中心に紹介します。

生き餌

メダカ・アカヒレ・ヌマエビ

幼魚を導入した直後等の弱い時期や人工飼料に餌付いていない時期に与える事が多いです。
水槽に多く入れておくことでいつでも餌を食べる事が出来るため、餓死を防止したり弱い幼魚の時期を早く終わらせるために使用します。

ヌマエビは近所の川で沢山捕れるため、採取した物を使用しています。

生き餌のデメリットは病原菌の持ち込みや濾過への負担が増加する事です。
感染性の病気に掛かっている、寄生虫がついている魚を餌にしてしまうリスクがあります。
また、生き餌の生体達も水を汚すため、濾過への負担は避けられません。

コオロギ・ミルワーム・デュビア

昆虫系の生き餌も良く食べると聞きますが、我が家では家庭の事情で使用禁止です。
ミルワームは消化が悪い、脂質が高いであまりいい話聞かないですね。

冷凍餌

冷凍赤虫

幼魚の時期に使用しました。
冷凍赤虫と人工飼料を一緒に投入し、人工飼料を口にするようになればグッと飼育が楽になります。


冷凍赤虫を与え続ける事で人間は餌をくれると刷り込み、人工飼料に餌付きやすくなると考えています。

冷凍エビ

熱帯魚ショップで販売されている冷凍エビを使用する事もあれば、スーパーで販売されているムキエビを与える事もあります。

エビは良く食べるので、スーパーでエビが安い時には購入して冷凍しておき、それを与える事も多いです。

大きさのあるエビを与える時には角は折ってから与えています。

冷凍魚

基本的には業務スーパーで販売されている「バルト海イワシ」を使用する事が多いです。
500グラムで250円前後の価格と非常に安く、手に入りやすい餌です。

与えた後は油膜が浮き、海産物なので脂肪が多く常用するには不安があります。

業務スーパーではイワシとワカサギ(少し高い)が販売されていますが、たまに在庫が全くなくなる時期があります。
時期的な物なのか、釣り餌需要かわかりませんが、手に入らない時にはスーパーで小ぶりなアジを購入し、ぶつ切りにして冷凍し、与えています。

人工飼料

人工飼料は各メーカーから販売されており、手に入りやすい物を使用すれば良いとは思いますが、我が家で実際に使用している・していた物を紹介します。
※餌の値段は2026年2月時点の価格です。

キョーリン 「ひかりクレストカーニバル」
キョーリン ひかりクレストカーニバル

大型魚を飼育する上で昔から馴染みのある定番中の定番です。
私も長らくこの製品にはお世話になってきました。

食いつきが非常に良く、成長も良く、色揚げ効果も期待できると大型魚飼育に関しては完成された餌の一つだと思います。

難点は価格と臭いです。
まず価格についてですが、210gで1,325円と中々のお値段。
大量に使用すると部屋がカーニバルの臭いになります。
だからこそ食いつきがいいのでしょうが、家族からクレームが入るレベルで臭います。

最近は小さなパッケージの物を購入し、幼魚を育てる時限定で使用し、ある程度大きくなったらこの後に紹介する餌へ切り替えています。

(株)リーフ Leaf Corp 「ff num100 アロワナスティック(浮上性)」

charmで販売されている肉食魚用の飼料です。
アジアアロワナのファームで使用されている餌をベースに改良・開発された餌と言う事で安心して与える事が出来ます。

800gで1,419円とカーニバルに比べると非常に安く手に入るため、シルバーアロワナの様に大きく良く食べる魚にも安心して(財布的に)与えられます。

カーニバルに比較すると食いつきは微妙な印象ですが、我が家のメインフードとして長年使用しています。

我が家のシルバーアロワナは目たれしているからか、浮上性の餌への反応がいまいちで、口元に餌が来ると食べると言う感じです。

粒の大きさが普通のカーニバルと変わらない位なので結構な量を入れないと与えた気がしないです。

臭いについてですが、餌自体も餌を与えた後の水槽の臭いも特に不快な点はありません。

キョーリン「咲ひかり育成用M・Lサイズ 沈下」

※写真はMサイズ

錦鯉用として販売されている餌ですが、肉食魚の飼育に使用している方も多く、単食させなければありなのでは無いかとバリエーションの一つにしています。

小分けパックを購入しており、いつも大谷錦鯉店さんから1㎏2,040円(2個目以降400円引き)で購入しています。

浮上性と沈下性があり、アロワナに使用するなら浮上性の方が好ましいかとは思いますが、他の飼育魚の関係で沈下性を選んでいます。

沈んでしまった物をわざわざ食べに行きはしませんが、待ち構えている時に口元に落としてあげると意外に良く食べます。

ffnum100よりも良く食べている印象です。

餌の臭いがちょっと甘い感じのいい匂いだと思います。(自分だけ?)
餌を与えた後にも不快な臭いは感じません。

日清丸紅飼料「おとひめEP・ヒラメEP-F」

海水魚の養殖で使用されている水産用の飼料です。
サイズの展開がアクアリウム用の餌とは比較にならない程のバリエーションがあり、魚の成長に合わせてサイズを変えていける強みがあります。

サイズにより値段は変わりますが、例えばEP10で900g1,311円、3㎏買えば3,443円とコスパは非常に高いです。

本来の目的が魚を早く大きく脂の乗った美味しい魚を育てるためなので、栄養価は非常に高く、消化吸収も良いと言われています。
しかし同時に脂肪分も高く与えすぎればデブまっしぐらです。
肥満は万病のもとなので、他の餌と混ぜて単食させない様にしています。

おとひめが沈下性で、ヒラメが浮上性の餌です。
ヒラメの方が脂肪分が少ない様ですが、EP-F6以上の少し大きな粒になると脂肪分が高くなるようです。

臭いはカーニバル程ではありませんが中々の臭いを発しています。
それ故に食いつきも良いのですが、与えすぎると家族から苦情が入る程度には臭います。

それと水が一番汚れる印象です。

病気やケガについて

飼育をしていくと病気やケガが発生する事は十分考えられます。
少ない例ですが紹介します。

白点病

アロワナは薬に弱く、薬を使ってはいけないと言われる事が多いです。
実際に魚病薬にも古代魚に使用しないでくださいと注意書きが書いてあります。

我が家では白点病が発生し、実際に薬浴をさせた例があるのでそれを紹介します。

使用した薬はアグテンです。
マラカイトグリーンを主成分とし、白点病・尾ぐされ病・水カビ病に効果があります。
古代魚(アロワナ等)、大型ナマズ類には使用しない事と記載があります。

規定量は飼育水100ℓに対して、10ミリℓを添加するとされており、我が家の場合は水量が約1,200ℓ位なので、1回の投薬で120ミリℓを添加する事になりますが、不安だったので規定量の半分を投与しました。

当時はネットの情報をもとに投薬したため、説明書とは全然違う使い方をしていますので参考にする方は自己責任でお願いします。


2024年4月19日に白点病を確認し、同日からアグテンを投与。

2024年4月29日まで、毎日アグテンを規定量の半分で投薬を続けました。

アグテンを投与し薬浴しているオスカーとアロワナとポリプテルスとナマズ

水温は通常26℃設定ですが、薬浴期間中のみ28℃まで上げています。

薬浴中は新水垂れ流しを停止し、餌の頻度を減らして水質悪化を防止。

あわせて、3日に1回、半分以上の換水を行いました。

投薬開始から約1週間で白点虫は確認できなくなりましたが、卵が残っている可能性を考慮し、念のためさらに3日ほど薬浴を継続しています。

余談ですが、白点病が発生したきっかけは、メインタンクと集中濾過で管理している60cm水槽に、バンジョーキャットを1匹追加したことでした。

トリートメントを怠った結果、手間も費用も大きくかかることになりました…。

ウロコ飛ばし

ケガと言うのかは微妙ですが、アロワナが何かの拍子に暴れた際にウロコが取れてしまう事は珍しい事ではありません。
特に混泳をしていると何かとトラブルはつきものです。

大暴れしてウロコが何枚も剥がれてしまい、非常にショックでしたが…

1か月程度で黒くなり、目立たなくなりました。

アクリル水槽のフランジ部は角が立っており、魚が飛び跳ねた際にケガをさせてしまうリスクが高いため、紙やすりで角をほんの少し丸めて気休め程度に処置を行いました。

それでも暴れればウロコは飛ぶので効果の程はわかりません。

まとめ

シルバーアロワナは、見た目の派手さや知名度だけで選ばれることも多い魚ですが、実際に長く飼ってみると「大型魚を飼う」ということの重みを一番感じさせてくれる存在だと思います。

水換えの量、餌の消費量、水の汚れ方、設備の重要性。
どれを取っても手はかかりますが、その分ゆったり泳ぐ姿や、水面に寄ってくる仕草を見ていると、やっぱり飼っていて良かったと感じます。

今回書いた内容はあくまで我が家での飼育例ですが、環境や飼育スタイルが違っても基本の考え方は大きく変わらないはずです。
これから飼育を始める方や、飼育中で悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。

大型魚飼育は大変だけど、その分ちゃんと応えてくれる。
そんな魅力がシルバーアロワナにはあると感じています。

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